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今から2200年以上の昔のことですが、北アフリカ沿岸に、地中海でも有数な都市国家として栄えた「カルタゴ」という国がありました。

この国は、軍事大国ローマとの第2次ポエニ戦争に敗れて無条件降伏したわけですが、その際の講和条約の内容には「専守防衛に限り自衛軍の存続を認めるが海外派兵は認めない」「カルタゴ駐留のローマ軍の経費は全てカルタゴが負担すること」という項目が含まれていました。

戦後、カルタゴは経済活動のみに専念して「奇跡の経済復興」を成し遂げた反面、勝ったローマの方は海外展開は進めたものの勝者としての軍事負担をかかえこみ、逆に財政赤字に苦しむ国家となっていきました。

その後、軍事大国ローマは様々な無理難題をカルタゴに押しつけ、それを拒否したカルタゴに一方的に宣戦布告して大軍を送りました。

カルタゴは、軍備もなく、仲介を頼む国もなく、孤立無援の戦いを続けた結果、紀元前145年、ついに全国民玉砕し、カルタゴは地球上から完全に抹殺されてしまいました。

カルタゴは、ローマとの関係を重視し、友好関係を続けてきたつもりでいたにもかかわらず、ローマ国内にカルタゴに対する嫉妬、憎しみ、いらだちが充ちあふれていたことに気づかなかったために対処が遅れ、「国家消滅」という結果に至ってしまいました。