「増税が必要」という政府の説明には嘘がある

今は景気回復を第一にするべき

 今、日本では、大部分の会社が赤字企業になっています。これを救わなければなりません。
 今は景気回復が第一です。やや持ち直しているようにも見えますが、これは一時的な現象であり、本格的な考え方に基づいて、きっちりとレールを敷かなければ、もう一回、長期不況に入る可能性があるのです。
 これは、自民党政権においても可能性がありますし、民主党政権においては非常に濃厚に起きてくる現象だと思います。
 彼らの政策を見るかぎり、どちらが政権を担ったとしても、例えば、消費税というものを取れば、税率が最大で25パーセントに向かっていくのは火を見るよりも明らかです。どちらの政党の政府においても、おそらく、そちらの方向に向かっていくと思います。

増税は年金使い込みの穴埋め

 しかし、その理由の説明のなかには嘘があるから、私は怒っているのです。単に、「どんなに努力しても財政が黒字にならないから、消費税率を上げたい」と考えているだけではないのです。
 国民から年金の積立金と称して集めていたものを、現実には、国民が老後に年金として受け取る前に、政府の人たちが、「税金だ」と思って、かなりの部分を使っていました。そして、その穴埋めをするために増税しようとしているのです。
 だから、「許せない」と言っているわけです。
 その事実を、はっきりと国民の前で明らかにし、謝るべきです。
 ところが、嘘に嘘を塗り重ねて、さらに、「どうしても財政的に苦しいから増税が要るのです。増税の議論に乗ってこない政党は、責任ある政党とは言えません。増税の議論をしなければ、責任ある政治とは言えません」というような言い方をしています。こういう詭弁に騙されてはなりません。
 国として経済政策を間違ったなら、はっきりと反省しなさい。私は、そう思います。

以上、『危機に立つ日本』――国難打破から未来創造へ 大川隆法著(幸福の科学出版刊)第5章より抜粋させていただきました。このような書籍を発行して下さった、主エル・カンターレ大川隆法総裁先生に、心より感謝申し上げます。